知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

障害者の隔離が進んでいるの話

   会社の事業主が障害者のための特別な配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、その子会社に雇用されている障害者を親会社や企業グループ全体で雇用されているものとして算定できることを目的に、設立、経営されている子会社が、特例子会社です。特例子会社は、2020(令和2)年6月1日現在で542社(前年より25社増)、雇用されている障害者は、3万8918.5人(前年は3万6774.5人)と厚労省の資料ではなっています。さらに、厚生労働省は、特例子会社のメリットとして、①障害の特性に配慮した仕事の確保・職場環境の整備が容易となり、これにより障害者の能力を十分に引き出すことができる②職場定着率が高まり、生産性の向上が期待できる③障害者の受け入れに当たっての設備投資を集中化できる④親会社と異なる労働条件の設定が可能となり、弾力的な雇用管理が可能となるとしています。このメリットを障害者側から読むと①´障害者に合わせた仕事があれば本業と関係なくてもいい②´障害者だけなら辞めない③´障害者トイレなど職場に多数作らずに1か所で済む④´親会社との労働条件が全く別でいいという事です。つまり、親会社に就労させずに、障害者だけ集めて、労働条件を下げてもいいですよという事です。こんな都合のいいのが特例子会社です。代行ビジネスと言うのはこの特例子会社を親会社からも分離したものです。十数事業者が各地の計85カ所で事業を展開しているとされ、利用企業は全国で約800社を超え、働く障害者は約5千人に上ると言われています。このビジネスモデルは、障害者雇用を自社でおこなうことが嫌な企業に、代行業者が、障害者が働くための場として農園などの働く場を提供し、就労を希望する障害者も紹介、サポートなどを行なって、利用企業があたかも障害者雇用をしているかの如く偽装するものです。利用企業は、農園で働く障害者を自社の社員としての賃金と、農園の賃貸料、管理費等及び、はじめに採用するときには、人材紹介料を支払う事で、自社には一歩も足を入れさせることなく、障害者雇用率を確保できるというものです。その為、「違法ではないが労働とはいえない」と国会で指摘され、問題視されてはいますが需要があるから伸びています。この代行ビジネスでは、企業の業務とは全く関係のない業務を離れた場所で障害者だけを集めて業務を無理やり作って形だけ整えたものであることは明確です。何故なら、大半の企業の本業は農業とは無関係で、障害者が仕事としている農作物も、社員に無料で配布するケースが多く販売することもないからです。雇用率達成のみを目的とした手段であることは明確なのですが、非正規雇用で障害者だけを企業の事業と分離していることが問題です。特例子会社は、厚労省も推薦する障害者の就労ですが、働く場が障害者にあればいいという考えがあるから、代行ビジネスを生みました。つまり、厚労省の進める障害者の就労が、「障害者を排除した職場」と「障害者だけの職場」を作ることになっているという事です。それは、障害者の生活保障にはなっても「健常者と障害者の共生」にはほど遠くなってしまうという事です。特例子会社も代行ビジネスも障害者と健常者を分離することが基本です。同様に、生活の場であるグループホームでも、日中活動型と言って施設外へ出なくていいグループホームを定員最大40名を建設できるようにしました。かつては山の中に作った隔離施設と言われた障害者施設を、町中に作ることが出来るようにしただけのものがグループホームと名を変えて作られています。少子化で学校の統廃合が進む中、特別支援学校だけが増加しています。これも、分離教育そのものです。かっこよく「インクルーシブ教育」などと言っていますが、少子化なのですから少人数に合わせて混合で教育すればいいだけの事です。子供の時から、障害者だけの分離された環境で教育を受け、職場になっても障害者だけの職場が用意され、隔離された生活の場としてグループホームが用意されているという隔離政策が主流になってきているのです。