知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

人の不幸が金になるの話

 福祉の制度に、株式会社も参入出来るようになって随分経ちました。福祉に営利は向かないと大反対がありましたが、社会福祉法人が独占し胡坐をかいている現状を打破し福祉の向上が必要だと広報されることで実現しました。では、目標は達成されたかと言うと全く問われてもいません。つまり、結果の検証は誰がしているのかと言うと誰もしていないのです。しかも、障害者は金になるという事が広く知れ渡り審議会や福祉の専門家が想定した事とは全く違ったアプローチで障がい者の利益が食い物にされていると言うことを福祉の御用学者は、反省もしていません。何故なら偉い人も、教授たちも、たとえ民間企業であっても悪意で参入することはなく善意で参入するのだから社会福祉法人との競争が福祉サービスを向上させるキーマンになる程度にしか考えていないからです。福祉サービスもサービスなのだから競争の原理が必要だと多く語られ、社会福祉法人に競争の刺激を与える為には、民間企業の導入が必要だと繰り返し広報されましたが、結果は双方が競争するなんてことは起きませんでした。民間企業は、福祉の刺激者にも福祉の牽引者にも、社会福祉法人の競争相手にもなりませんでした。福祉に関わる大学教授たちも審議会なんて専門家面している人たちも民間企業の言う「競争」と福祉サービスで行われる「競争」は異質なものでぜんぜん違うという事さえ分かっていなかったという事です。民間企業は、社会福祉法人など相手にもせず、ひたすら利益の出る制度の活用だけに注視し参入しました。利益が出るならそこに投資し出ないなら撤退するごく普通の活動しかしませんでした。障害福祉の就労Aと言う制度が儲かるとなると爆発的に参入し、制度変更されるとさっさと手を引いていきました。今、ネットの中では福祉事業所の売買が何十件と明示されています。障害者が自分の利用する事業所が売りに出されている事さえも確認できるようになりました。障害者の事業所が売買されていると言うだけでも刺激的なのに、自分が利用する事業所の経営者や職員がいつ突然のように変わるかもしれない刺激を障害者自身に向けるのです。最近では、住宅大手が新しく参入してきました。住宅業界でサブリースと言うのは普通の事で、簡単に言えば又貸しですが、先ごろシェアーハウスで、するが銀行が問題を起こしましたし、大東建託が、地主のアパート経営でも問題を発生させて話題ともなりました。中身は、地主に地主の資金でアパートやシェアーハウスを建てさせそれを20年とか30年問一括借り上げして家賃を保証すると言うものです。ところが、安定した借主が確保できないと、途中で契約の解消などにより地主の負債だけが残るなどと言うトラブルが発生していました。ここで紹介するのは大手の大和ハウスです。ダイワハウスの営業マンは、まず空き地を探し、その地主に障がい者グループホーム建設を持ちかけます。地主は障害者なんか知りもしませんから拒否的になりますが、そこで次に紹介するのが株式会社の福祉事業者です。グループホームはこの会社がやりますのでご安心をとなります。地主は土地に自己資金でグループホームダイワハウスに発注して、ダイワハウスは福祉事業者につなぐのです。福祉事業者としては賃貸で事業所が確保できれば自己資産として運用するよりも楽で、地域の説明会だって地主がやればそれですみます。地主は、一括借り上げで何年も安定した借主が確保できますから、安心です。20人定員の障害者のグループホームなら、木造2階建て建物で5・6千万は掛かりますが一般アパートのような競争はありませんし、障害者だから設備投資は必要最小限で済みます。一括借り上げとして、20部屋×3万円(実際はもっと高いが)でも月額60万円、年間で720万円、10年で建築費は賄えます。過去には社員寮として貸し出すという事もありましたが、一括で貸せれば経営としては実に楽です。福祉事業と言っても貸すだけで面倒くさいことはありません。アパート経営では、空き室リスクや管理業務が発生しますが、から福祉事業者が行います双方にメリットがあります。今民間企業の福祉事業者としては、グループホームはちょっとしたねらい目です。ですから、このグループホームは障害者集めのために身体障害者対応とチラシで謳いながら、大和ハウスの安物アパートコピー設計施工で仕上げますから、障害に対する配慮なんて感じられません。一例では、手洗いに車いすでは真っすぐ入れないし、風呂場にはリフトもない普通のものです。そんな事例に接しながら見た新聞記事は「介護もうかる 群がるファンド」という物です。今度は、ファンドです。ファンドというのは、投資家ですから社会福祉法人に投資など出来ませんから想定されるのは、株式会社の福祉事業です。望みもしないのに障害になって、苦労して福祉がよくなってきたかなと思ったら、望みもしないのに障害者は金になると民間企業が寄ってきました。記事のサブタイトルは「М&Aで規模拡大効率化し増す収益力」となっているように売買の出来る福祉とは、障害者が売買されているようなものです。何故なら、福祉法人は、儲かる事業と赤字事業を同時に行わなければなりませんが、民間企業は収益の高いものだけ実施して、赤字になるような面倒な障害者や事業は排除してしまい結果として売れ残りの障害者は路頭に投げ出されてしまうのです。福祉のお金の効率的な仕様を考えるなら民間企業の導入は人の不幸が金になるを実現しただけにしか思えないのです。