知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

福祉そして相談支援のレベルの話

     知的障害者の相談支援制度そのものに批判的な意見を持っているのですがこんな事例を見聞しました。知的障害者グループホームのサービス管理者がそこを利用する若い女性に衣類のプレゼントをしたりして最後は性的関係を成就しました。女性はその事はグループホームの管理者にも話していましたが、管理者は毅然とした対応はしませんでした。女性は就労先の福祉事業所でその事を話し妊娠していたら困ると相談しました。就労先の福祉事業所は、直ちに性的虐待に当たると通報しました。通報による調査が行われているときも、加害の男性は女性に対し、同意だったと言うようにとメールを送っていました。女性は結婚してもいいと言い出していましたが、加害のサービス管理責任者の男性にはそんな気はありません。結果として被害の女性は他の施設へ緊急入所となり、加害のサービス管理者は解雇されましたが逮捕されたわけではありません。実際人手が足りないと言われる今日の福祉事業では、サービス管理責任者は確保しなければならない地位ですから資格を持っていれば、働く場所は引く手あまたです。犯罪歴にはなりませんから資格は有効で、本人が言わない限りこの事が発覚する事はありません。仮に発覚しても、誘われたと言い訳する事も可能ですし、同意だったという事も一方的に言えますから、就労に不利な条件とはならないと思われます。それに、この様な事例では被害者が特定されない様に、再就職先からの問い合わせがあっても関係者は回答しないマル秘扱いとなってしまいますから、実際には加害者の方が保護されてしまうのです。ですから加害の男性が再び就労した事業所で知的障害の女性に性的虐待となるような事をしても初めてと主張することだって可能なのです。福祉事業所に暮らすことになる若い女性は家庭的に何らかの問題を抱えている事が見られます。つまり、家庭的に問題がなければ若い女性を家族がリスクを考えて福祉事業所での暮らしを検討しないという事があります。それだけに、恋愛ごっこに仕立て優しくまとわりつけば知的障害の女性など何十歳と年が離れていても簡単にだますことは可能です。だから保護が必要なのです。だから、管理者も必要なのです。職員の善意だけでなく、組織としての管理体制による保護が必要だから公金を使用しているのです。この事例では、障害者を守る為の福祉事業所で、組織として対応しなければならない管理者が、自分の部下である現場責任者が障害者を守ることなく性的欲望の対象者として関わっている事を認識しながら制止したり適正な対応をしていません。通報されたことで、現場責任者を解雇しましたが、管理者は自分の責任は何も感じていません。さらに、知的障害者が福祉事業所を利用するには、相談支援事業所を介入させる必要がありますからこの女性もこのグループホームの入居を紹介した相談支援事業所の登録者として、今後の身の振り方についてこの相談支援事業所が行う事になります。その相談支援事業所の女性職員は、被害を受けた女性に対して、新しいグループホームを検討すると言いながら、元のグループホームに戻る事も選択肢の一つと提案したのです。その理由は、グループホームの管理者は苦労して事業を立ち上げ努力しているとてもいい人だからという事なのです。性的被害で一番鈍感なのは同性なのですが、この相談員には同じ女性として性的被害とは何かが全く理解できていません。いい人という事が障害者を守るという事ならこんな事件は起きなかったはずなのです。自分が雇用した現場責任者が起こした案件ですから、その責任を感じているなら具体的な対応策や見通しなどを提案し今後は大丈夫と言う事ならまだしも「苦労しているいい人」だから戻りませんかと安直に被害者に提案できる軽さなのです。相手の管理者としては、被害の女性も客の一人ですから、新しい客を探すより慣れている本人に戻ってくれることが経営的に楽です。だから、戻って欲しいと希望するのは当然ですが、相談員がそれに安直に乗るのは人の人生に対してあまりにも無責任だと思うのです。恋愛に関心の高い世代の女性は過敏で心情不安があってサポートが難しい場合がありますから人的環境はとても重要です。それを確認せずにグループホームの選定をして空いているからと提案しそうな感じなのです。しかし、この相談員が問題かと言うと、このレベルが福祉では普通なのです。知的障害者は、言葉に左右されやすい特性がありますから、相談員に人の人生に関わっていると言う自責の念などなくても適当に何とかなってしまうのです。身体障害者精神障害者のように相談員に苦情や反発をしたりはしない事を良い事に井戸端会議の感覚で対応を考えてもまかり通ってしまうのです。老人の介護保険制度と同じように保険制度へ障害者施策も持っていきたくて相談支援制度を政府は導入しているのですが、その実態はお粗末すぎるほどなのです。その証明が知的障害施設の虐待報道だとも思うのです。何故なら、相談支援員は、モニタリングと称して公金を貰って本人に会って色々聞いていますし確認もしています。ここで、相談員が気が付かなければならないのです。自分のケースが虐待されていたとしたなら怒らなければなりませんし、虐待のあるような福祉事業所を紹介した自分の責任を自覚しなければなりません。まして事件のあった元の場所に戻す提案など出来るはずもありません。自分が、紹介した福祉事業所で虐待が発見されたなら知らなかったでは済まされないという事さえ自覚されていません。相談者として金銭を貰って仕事として行っているのにこの相談員のように預けっぱなしを反省も出来ず、自分が知的障害者を守れなかったと言う自責もなく、結局は加害者との関係を是正できなかったことを失敗とも認識できていません。そして事件が発覚すると相談員は守護者の如く振舞うのですが、相談者のあなたがその一端を握っていたから今回の事案が発生したと誰も責めることがありませんから、他人事のような処理しか出来ないのです。虐待事例だけでなく、今の福祉の現場は、株式会社の登場を含めて、人材としても、このレベルだという事に落ち着くしかないのです。