知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

チェンチェンプリーズ空耳英語の話

「チェンチェンプリーズ、ドコトレイン、ビハインドフォー、スーントラック、フォーユアーセフティー、プリーズスタンドビハインド、ヤローライン」程度にしか聞こえないのです。これは、JR東日本の駅構内で電車がホームへ入線してくるときの英語の案内で、本当は、Your attention please,The (種別) train, bound for (行き先), will soon arrive at track No.(到着番線).For your safety, please stand behind the yellow line.と言っているそうなのです。小学校低学年の孫に「ねぇ 野郎ライン」と言っていると発見したかのように教えると「イエローだよ」とあっさりと否定されてしまいました。小さい時から英語を聞いている孫には、ちゃんと英語として聞こえているのです。ところが中学に入って初めてABCを習い、小学校でローマ字は優秀だったから自信満々だったのに、ローマ字とは違うと叱られて、発音記号なんてちっとも理解できなかったじいさんには、英語を言語として認知する機能は既に深く仕舞い込まれていて全く起動しないのです。それにご存じのように英語と言えば文法のような英語教育しか受けていませんから、まず聞いた言葉を一つ一つ英単語として並べて、文章として完成させた上で、和訳して見ることしか出来ませんから、英語の文章なら時間を掛ければ何となくこんな事かな程度の理解は出来ます。しかし、JRの放送ですから標準語で、優しく普通の速さで話しているのでしょうが直訳どころか何を言っているのか空耳英語にしかならないのです。基本、英語を言語として認識する事が出来ていない事が原因だと思うのです。これがもっと聞きなれていない、中国語、フランス語なんてなるほど音としてしか聞こえず、これは言語なのだと意識して聞いてやっと経験値から中国語らしいとかフランス語かな程度の認識で、まれに聞き覚えのある単語でも出てきたらうれしくなる程度の言語認知度だからなのです。その原因は、日本語しか言語として使用していないからで、あんなに何年も習い続けた英語でさえも、日本語の母音でしか聞かないから、空耳英語になってしまうのです。つまり、英語の母音を似たような日本語の母音に当てはめて聞き取ろうとしているだけで、英語としてまず聞いていないのです。ですから当然、英語の母音の聞き分けなんてこと自体が出来ないので、聞き取り自体が正確ではないばかりか、発音との関連性に至ってはもう日本語的なのです。致命的なのは、音の区切りが出来ない事です。日本語を聞いたときには日本語の音の区切り方で、英語を聞いたときには英語の音の区切り方で聞くことが出来ていないのです。日本語だって、音の区切りで意味が全く違う事などがあるように音の区切りが出来なければどんな単語であるかも理解できません。ですから、文字として提示されたのなら既に区切りが明確で単語は単語として記載されていますから何とか解明できるのですが、口語は、話す人が単語を一つ一つ話してくれませんからもうその段階で理解不能になってしまうのです。結局じいさんとしては日本語のように聞いているので、日本語に当てはまる空耳英語の方が簡単に出来るのです。それに加えて、和製英語なんてものも加わりますから、漢字のような予測の立たないカタカナの羅列の中では「チェンチェンプリーズ」以上に「チンプンカンプンプリーズ」になってしまうのです。