知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

反則ぎりぎりがスポーツの世界になった話

     冬季オリンピックで大騒ぎしたのにもう誰も追及しない事の一つにスキー・ジャンプ混合団体で、スーツの規定違反で失格したというニュースがあります。他にもスケートでも違反があったなかったと言っていますが、オリーブの葉の冠しか得られない時代なら反則騒ぎなど名誉の問題でしょうが、莫大なお金が動くお金まみれの今日のオリンピックでは名誉より規定の方が非常に重要な事になっています。ですから、これ以上裏事情がさらけ出されると困ると言う反動もあってその後の報道も追及どころか口を塞いでいます。何せ、スポーツは報道にとってもいい金儲けの種ですからスポーツ界との喧騒は自分たちに不利益となると判断してだんまりを決め込んでいると思います。今回のスキー・ジャンプスーツの背景も、スーツメーカが裏方で暗躍している事は明確な事で、オリンピックなんてお金が成績を左右する事を明確にした事例にすぎないと思うのです。スーツの数センチが飛距離に影響があると反則ぎりぎりまでにスーツメーカーが関与している事が原因であると言うのは、日本の選手団の為に外国の縫製師を雇用しミシンを持ち込んで何度も調整していると言う記事からも分かる事です。水泳の水着でもありましたが、金メダルになった衣装がお金になる時代で、お金になるからメーカーも投資しています。投資に見合った収益がなければだれもそんなことに拘ったりはしません。ですから、もう衣類や用具の段階で、メーカーの援助がない選手は勝てないと言う貧富の差が明確になっているということです。既にルールで生地の厚さや裁断の仕方などが細かく決められているという事ですから、揚力を得るために風を受ける表面積を広くする為と言っても、元々ぴったりのものを工夫する余地などほとんどないとしか言えません。にもかかわらず、縫製師の手先で、工夫できるという裏側は、反則ぎりぎりまで対応しているという事に他なりません。素人の私から見たなら、たかが1センチの違い程度でそれほどの違いは出そうにないと思いますが、プロに言わせれば、同じ条件で飛んでも2~3メートルは差が出るということですから工夫は、職人芸の域だという事です。それは、違反すれすれのものを着ないと勝負にならないという事でもあるのです。それは、ドーピングと大差のない反則ぎりぎりセーフの考え方そのものです。実際夏のオリンピックの集団競技では故意の反則が行われてもいました。反則やってでも勝たなければならないと言う、お金にまみれた拝金主義の状態が今のスポーツでもあるのです。実際、公平性を保つのが狙いとしてルールを決めていても、ルールギリギリまで対応できる技術はお金で買わなければならないし、道具もスーツも後ろにいる資金提供者の利益を生まなければならなくなってしまっているのです。過去には、スポーツマンシップやアマチュアスポーツマンの競技精神、はたまた、フェアプレーの精神などと如何にも正々堂々などが広告されていましたが、今ではそんな言葉も聞かれなくなり、メダルを何個取るかの商業イベントになりました。競技する相手,競技規則への敬意と尊敬なんて、どこにもありません。そして、金儲けの為に大人は青年を食い物にしていると言うのが、今日のスポーツだという事も証明しています。スポーツがお金にまみれている証拠は今では、探さなくてもどこにでも露出しています。