知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

アメリカの民主主義を笑うの話

 独裁国家では、選挙と言っても権力に都合のいいように利用されていると言うのが民主主義の国の人からの非難ですが、その民主主義のトップで、現職の権力者だった時に自分が立候補して落選したなら、選挙が盗まれたと結果を否定するトランプ氏に賛同するアメリカの民主主義を非難しない民主主義国家はみんな専制主義国家と同じ感性だという事が分かります。私の想像では、トランプ氏は、媚びたりしなくても自分が好きなだけ権力の座に居られる習氏に特別に憧れていたと思うぐらい、民主主義が本当はひどい制度だと思っていたと思うのです。民主主義の、一人一票と言う制度で権力者を選択すると言う方法は決して公平でも平等でもありません。実際には組織票と言われる利益団体が背後について選挙は行われ、清き一票など路傍の枯葉よりも軽く吹き飛ばされています。例えば、アメリカで行われている10年に一度の選挙区割り制度では自分の政党に都合のいいように区割りを変えてしまう、ゲリマンダーの手法という事があり、一票の格差を意図的に上下させていると言われています。第一アメリカの大統領選出の方法は、直接選挙が行われているように見えますが、間接選挙で一人一票の重みはなく、全体の得票数が多くても大統領にはなれないという事が現実には起きています。それでも、民主主義と言い張り、多数決で大統領を決める方式には改めないのです。挙句に、現職大統領が立候補して負けるとなったら選挙制度を非難した上に、盗まれたと言うのを4割近くのアメリカ人が支持しているのです。日本の首相選びと同じで国民の直接投票ではないのがアメリカの大統領選挙です。ですから、民主主義によって公平・平等に選ばれたリーダーが国を統率していると言うのは建前で実際は利益代表が選ばれているのです。単純な考え方として、一人一票なら、通常の資本主義の社会では、貧困層の方が人数は多いのですから、社会に不満のある貧困層の票数が代表を選ぶはずなのに、そうはならないのです。アメリカを見るなら、白人に対して黒人・移民という構造なら、リーダーは黒人や移民だらけになり兼ねないのにそうはならないのです。今の民主主義方式で守りたいのは、移民の国アメリカの古い移民たちが持っていた権力や利益を、新興の移民が多数になる事によって乗っ取られることを防ぎたいだけなのです。やがて、白人はリーダーになれなくなるの恐怖です。さらに、アメリカのキリスト教は、神からの試練にさらされています。その一つが、無宗教者が増えていることです。一つが、南米からくる移民は同じキリスト教でもカトリックであるという事です。そこに、イスラム教徒が、貧民として増加しているという事です。ユダヤ教徒と結びついたアメリカのキリスト教は、衰退という試練に立たされ大きく転換しなければならない時期に来ているのです。経済を動かしていた個人主義は、利己主義と一緒になって、世界から集めた富の分配に失敗して格差の幅を大きく広げています。二つの世界大戦で大儲けした事で世界一になったアメリカは、戦争の利益がないと衰退していく国家ともなっています。法と契約と神の社会であるアメリカは、既に自分たちの唱えている民主主義が何かさえ分からなくなっています。ですから、ヤクザの因縁の様な民主主義を世界に振り回していますが、それが原因の局地的戦争や内戦ばかりが起きているのです。利益を求めて軍事力の力で得ていた経済の仕組みは破綻し始めています。その経済の陰りがアメリカの民主主義という自己中心主義の破綻にも今繋がっています。力の衰退が、経済の衰退になり、アメリカ民主主義の衰退に向かっていると思うのです。