知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

トランプ、インチキ老人に騙される貧民の話

 民主主義は、共産主義より優れている。だから冷戦に勝ち、世界に民主主義が広がったと大宣伝し、「アラブの春プラハの春」を強調しましたが、世界のその後の流れを見ると、戦争や内乱がやたらと起きて、政治混乱は、国連の機能を麻痺させてしまい、人が殺されても犯罪にもならない状態が続くことになりました。ベルリンの壁は、逃亡を防ぐためでしたが、今や民衆を閉じ込めるためや移動させないための壁づくりが増えています。民主主義の自由経済に参加する国が増えると貧しい国が無茶苦茶頑張って台頭してきてしまいます。すると、今度は、民主主義対専制主義だと煽り立てて既存利益の保護に向けて動き出します。みんな民主主義になったはずなのに、民主主義の国のように人権が守られていないと難癖をつけて制限しようとします。その混乱が地域の中での戦争を引き起こしてもいます。実は民主主義とは欧米をリーダーとする社会のルールであることが今や明確になってきています。実際、独裁は良くない、専制もよくないと言っているイギリスやアメリカ・フランスは、安全保障理事会で民主主義とは異なる態度を平気で行っています。民主主義の原則の一つに多数決と言うのがありますが国連は多数決制ではなく、専制性です。基本、第二次大戦の主戦戦勝国によって作られていますから、共同の敵に対しての異質な者へ共同で攻撃するというのが基本の連合体です。その連合体に異質な政治経済体制が混ざっていたからそのまま覇権争いが続いて今日の混乱の原因ともなっています。この指止まれと多数派を形成した方が有利になるようにやっているだけでなく、自分たちの利益が侵されないように多数派工作もしますし、国の格付けが変わらぬように貧しい国が這い上がれないようにもします。結果として、参加国の国力によって支配と被支配の関係が続き、生まれた国による人間差別が続くのです。民衆の意見とは関係なく貧富の差のある国家があることで、現在の経済は成立しています。つまり、イギリスと中国のアヘン戦争のように、中国はイギリスから買うものがなく、イギリスは欲しいものばかりで赤字になったから違法にヤクザのごとくアヘンを持ち込んだことが戦争の原因です。それは現代でも変わりません。自国内で貧しくとも幸せだという国が多くなったら貿易なんて成り立ちません。現代の経済は物を動かさなければ成り立たないのです。欲しいものを作り出さなければならないのです。単に衣食住だけの問題なら全人類が暮らせるだけの生産力があるのに、それを偏らせることで成り立っています。つまり、利益を求めるメンバーと利益を確保し続けたいメンバーに、巻き込まれ、振り回され戦争で殺されるのが民衆という事でもあるのです。戦争も消費でしかないのです。そして、民主主義のいいところの「自由」を求めさせることで混乱を長引かせ、増加させてもいます。自由なのだから、民衆が何を選ぼうと勝手という事で、トランプを選ぶ人が大勢います。トランプは、専制の身分に憧れながら、民主主義の選挙でのし上がろうとしています。この手法はよくある手で、ヒットラーだって選挙で選ばれましたし、プーチンだって初めは謙虚に選挙で選ばれています。習も軍事クーデターで権力を握ったわけではありません。ただ、権力を握った後は、その権力を手放さないように制度まで変えてしまうというだけです。トランプは、一方的な物言いをして、自分に不利なことは、フェイクニュースと言い放って支持者以外には攻撃と非難を繰り返しています。その態度を多くの人は、ろくでもない奴と評価していますが、現実には選挙で勝つかもしれません。逆に、宗教もそうですが、信じる者だけが救われるとなれば、誰でもいいとは言え、自分に利益をもたらされそうな人を選ぶことは普通です。そうなるとコアでトラのンプを選ぶ人の利益とは何かという事ですが、基本は、貧しさだという事です。景気が良い時は、世界一と言う漠然とした優越感があり世界から見るなら贅沢な生活を経験した人々は、トランプが4年間で取り戻せもしなかったのに俺なら取り戻せるとささやく声にすがっています。でも、そうして民主主義への加害者になるかもしれない人物を選んでも民主主義は正しいというのです。トランプが感じた権力の座は、嘘を言おうが、民主主義を裏切ろうが関係なく魅力的でおいしい果実だったのです。そんな果実を求めているインチキ老人をアメリカの貧民が騙されているというのが現実だと思うのです。歴史を見ても、貧民は大法螺吹きに騙されやすいことが良くあるのですが、教祖のようなインチキ老人が狙っているのは自分が王になりたいだけだという事が分からないのが残念です。