駅で電車を待っていると英語の案内で、「JR East」と言うのです。JR東日本(ジェイアールひがしにほん)が本名だろうと思って調べてみたら、本名は「東日本旅客鉄道株式会社」で英語では「 East Japan Railway Company」。通称はJR東日本、英語略称はJR Eastという事が分かりました。でも、本名を英語読みにするのかと言う疑問は残ります。例えば、「鈴木」さんは、英称「bell tree」なんて言いません。確かにわたしが、初めて中学校で英語を学ぶことになった時は興味津々で、友人の名前まで英語で言ってみるという事もありました。その時は、固有名詞をわざわざ英訳したなら相手に伝わらないという事を知らなかったからです。通常名前はそのまま読むのが普通です。そもそも、会社の名前であったとしても、由来があったり、こんな意味があるとか、こんな目的があるなどそれなりの根拠っというものがあると思うのです。さらに調べてみると、同じJRでも、北海道・九州・四国は、そのままなのですが違うのは、JR東海(ジェイアールとうかい)。英語略称はJR Centralなのです。どう訳したってCentralから東海が、出てくるのか理解できません。そしてJR西は「JR West」なのです。名前は世界中どこへ行ったって母国語で語るのが普通だと思うのです。そして、この名前には自国の言葉ではこんな意味がありますと紹介するものだと思うのです。日本を代表する鉄道会社が、自分の名前を直訳とも言えないテキトーな英語の使用方法をするという事は日本語卑下感覚としか言えません。英語を使えば箔が付く的な、さも専門的であるかのような形で英語風に使用する事にもつながる感覚と言えます。だから、カタカナ語であたかも英語ですよとして騙ますような和製英語が案外日本では多いのだと思うのです。例えば、親と子供など家族関係にある者や、友人同士が手を握り合ったり抱きしめ合う事や、話しかける相手の身体に軽く触れる行為をスキンシップと言っていた過去があります。今でも育児などでは高齢者が使います。スキンシップが全盛の時代には、スキンシップにより愛情ホルモン(オキシトシン)が分泌され、幸せを感じやすくなり、人間関係が良好になりやすいとまるで科学的でもあるかの如く説明され推奨された事もありました。だから欧米人はと感じた者でしたが、「スキンシップ」と言う英語はなく、造語だったのです。同様に、「ボディタッチ」という英語もないと事ですが、単語を並べて意味ある言葉とする和製英語の方法は今でもあたかも専門用語かの如く次から次へと送りだされています。専門用語は、専門領域を解釈し相互確認のための表現にすぎませんが、使い方次第では専門家然とした権威付けに使われることも多くみられます。つまり、権威の形としての専門用語風「カタカナ」言葉は英語ですよ、みたいな背景まで作り出されていても、「海外では通用しません」と言われても尚も利用価値があるのか次々に安易に作られて時には弊害を起こしていると思うのです。言葉で自分を飾るのは不正ではありませんが、相手との関係で誤解を招くものです。言葉は新しく作り出され続けているのも事実です。ワープロと言う言葉もパソコンなんて言葉も新しい言葉です。しかし、言葉は含蓄有るものとして作られて行かないと流されて誤解を生む差別用語にもなってしまいます。先に挙げた「スキンシップ」は今では「セクハラ」の領域になり、英語の「ハグ」は日本では今や「アウト」ですが、英語圏では文化の範囲です。つまり、言葉にはその言葉の背景としての文化があります。言葉には、文化と言う後ろ盾があってこそ意味があると思うのです。店の名前なんかも、外国語から選んだという事が多くなってカタカナが増える時代ですが、言葉に文化がなくなれば淘汰されるという事が歴史から読み取れます。