人類の進化には様々な意見や研究がありますが、宗教的影響だけでなく、先祖様には清く美しくあって欲しいと言う人類の夢の為に、サルから進化したと言うだけで拒否的な人もいます。実際進化論なんて認めず神が創造したと信じている人々もいますから「残飯漁り」でサルから進化できたと言われると猛反発しそうですが、それもありだと思われる最近の研究があります。それは、原人は肉食動物の食べ残した「腐肉」を漁って食べることで、高タンパク・高カロリーの栄養素を獲得できたことで脳が発達したと言うものです。原人は、猿人につぐ化石人類と言われ、約180万年前の更新世初期に出現したと推定されています、猿からの連続で群れで生活して、原始的な石器や火を使い、簡単な言葉を話したとされジャワ原人・北京原人などが教科書にも載っていますが、すべて絶滅しています。遺物の発見により原人は石器を使用したとされていますが、いきなり石器を使い肉を求めて狩猟が出来るような進化をするわけがありませんし、樹上で木の実を食べていたとしたなら植物食ですから、危険で悪臭のある腐った肉を食べようとするわけがありません。食べるための原因があったとしたなら、アフリカが森林帯から草原帯へと何千年もかけて変更する中で、樹上の縄張り争いから、追い落された弱い連中が、長年にかけて沢山繰り返し降りていかざるを得なかった事が考えられます。樹上と言う安全で食物が確保された場所を戦いに敗れて肉食獣のいる危険な草原に追われた弱者は、ひもじくて何でも口にするしかなかったと思うのです。その一つに昆虫食もあったと思うのです。しかし、昆虫は量食べなければならず、そこで見つけたものが、食べ残された「腐肉」だったとしたなら食べてみる価値はあると思うのです。当然「腐肉」ですから、食べて死んだ奴もたくさん出たのでしょうが何故か生き残った奴がいたと言うのは生物の進化にはよくある事ですから、草原を逃げ回りながら残飯をあさり続けた一族が食の転換としてついに雑食に対応する消化器官を手に入れ、残飯漁りの行動と残飯の肉食が脳と身体に影響っを及ぼすことになったと言うのも頷ける話だと思うのです。実際、原人は狩猟していたと言っても、弓や槍がある訳ではありませんから、そんな攻撃的な事は出来ません。ただ、遺跡として大型の動物の骨などに石器で傷つけた跡がある事などから自分で狩猟したのではないかとされただけで、実際は肉食獣が狩猟した残飯としての肉付き骨を奪ってきただけだという事の方が事実として頷けるものです。せいぜいが、弱った動物や病気、老化の動物を付けまわして倒れたら解体して持ち帰ることぐらいだと思うのです。実際に発見されている石器も武器と言うより、骨を砕いて骨髄を食べるためのものだったり肉を骨から剥離する物だったりしています。サルそのものは肉食獣としての武器も消化器官も持ち合わせていませんから、原人がなぜ肉食になったのか、肉を確保するために狩猟をする必要があったかはこの説だととても分かりやすいと思うのです。樹上を追われ、食べ物としての木の実が取れなくなり、死体から食べられそうなものを食べたとしても何の不思議もない事です。但し、腐った肉ですから、相当数が死んだとも思われます。ネアンデルタール人が絶滅したように人類と言ってもただ一系統で順調に進化したものではない事は確実です。沢山のサルがいる様に、沢山の類人猿が生まれ淘汰され続け全滅しながら偶然に生き残ってきたと言うのが事実だと思います。そのごく一部が、腐った肉でも死ぬことなく生き残れたのだとも言えます。結果として、肉体的機能の変化や脳の変化をもたらし、そのまた一部が石器も使用できるようになったのだと思われます。サバンナや森林地帯で、原人は食べ残された「死体」を探し回り、何でも食べて肉食を獲得していった系統が生きのこり、結果として、肉をさばくための石器を作り始め、さらに脳を発展させてきたと言うものです。つまり、数百万年前のアフリカで暮らしていた初期のヒト科原人「ホモ・エレクトス」は樹の上で暮らす"猿人"の一部がサーベルタイガー、ハイエナの祖先、古代ライオンなどの肉食動物が生息する地上での生活を余儀なくされ、狩猟道具も持っていなかった彼らは"生き残る"ために食べ残しをあさる「スカベンジャー(腐肉食)」となり様々な進化を遂げてきた、と論文が云っているのです。スカベンジャーというと何か違った感じがしますが、現代で言う、ハイエナやハゲタカのように死肉に集まりかすめ取って食べていたと言う事ですから何とも現代風では「醜い」姿ですが、その原人が居たから次の旧人が現れたときには技術の受け継ぎが出来て原人には出来なかった狩猟が出来るようになったのですから腐肉食がなければ進化はなかったと思うと体験貴重な体験と言えるのではないでしょうか。
