知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

神は間違えて肉食獣を作ったの話

 ある古典の書では、神が全ての生き物を創造したと述べています。とするなら、地球にとっては人間を創造したことが大失敗で小失敗が肉食獣の創造だと思えるのです。人間は、生態学食物連鎖や弱肉強食などを語り、自然界のビラミットの頂点に肉食獣がいると言い、ライオンはジャングルのキングと言ったりして肉食獣をたたえるエンブレムや紋章に使ったりします。そして、肉食獣が草食獣を制限する事で自然界のバランスをとっているかのような説明をします。しかし、真面目に考えてみれば、ジャングルを食べつくすほど草食獣が繁殖する可能性はありませんし、仮に、植物の量が草食獣を養えなくなれば植物より先に、草食獣が飢え死にして絶滅します。大胆に言うと、生物同士が生物の繁殖や絶滅をコントロールしているのでは無いという事です。生物は地球にとっては一つの副産物であって地球の主たる構成要素ではなく、生物の存在は地球の現状を大きく変化させる要因にはなれないという事です。むしろ気象のほうがはるかに大きな要因です。そして、気象は生物の生命に影響を及ぼしますが、生物が気象に影響を及ぼすことはありません。牛のゲップが二酸化炭素の問題にかかわると言う話もありますがそれも人間の食物としての家畜の問題で自然の状態ではない人的問題です。植物は、地上部を食べられても根が残れば芽を出しますし、種子も残ります。逆に言えば、肉食獣が繁殖すれば、草食獣が食べつくされて絶滅するかと言うとそんなことにはならないという事と同じです。むしろ植物あっての動物ですから動物が植物に影響を及ぼすことなど出来ません。なぜなら、動物と植物の決定的な違いとして植物は、生命として必須なエネルギーの元を太陽光から光合成によって生命エネルギーに変換できる装置を持っているからです。生命体はその生命を維持するためにエネルギーを必要としています。そのエネルギーの取り込み方法において植物は自立していますが、動物は自立していないのです。生命維持のエネルギーは、地球の生命体では、太陽光を変換する事で行われています。その装置である光合成機能を持つのは植物であって動物ではないのです。ですから、動物は植物がいなければ絶滅するという事です。鯨の種類である歯クジラはその巨体を植物プランクトンで維持しているように、植物を摂取することが出来れば動物としての生命維持は可能です。肉食獣は、草食獣を食べることで光合成によるエネルギーを摂取します。ですから草食獣を捕食する苦労を考えたなら自分で草を食べた方がエネルギー摂取としては有利なのです。ただ、植物から得られるエネルギーは少ないために草食獣は常に食べ続けていかなければなりません。食べても食べてもエネルギーが蓄積できない草食獣が保管したエネルギー原を肉食獣は植物獣から奪う事で植物を食べるよりはるかに効率よくエネルギーとして使用できていると言う泥棒行為によって、何日かに一回程度しか猟が出来なくても生存が可能なのです。そんなことを肉食獣は腹が減らなければ猟をせず無駄な殺傷はしないなどと説明する人もいますが、保存技術がないから必要量以上に確保できないだけでそんな人道上的な考えなど肉食獣にはありません。また、植物は繁殖の方法も多彩・多様で、恐竜が絶滅したような事態が起きても繁栄を続けています。ところが動物は、意外とひ弱なのに、群れに雄が一頭なのは強い雄だけが生殖し強いものが選択されているから言いますが、それも正しいとは思えません。なぜなら、カモシカの優秀な雄だけが選択された生殖活動を繰り返していても維持しているだけでライオンが追い付けないほど優秀にはなりません。人間が優秀な遺伝子に拘わる品種改良という事を見てみてもそれは言えます。馬の中でも俊足なサラブレッドの速度は60~70km/hとされ、この速さは、犬やウサギと同じですし、オオカミ(68km/h)とも類似していますが、品種改良によってチーターを抜く馬には成れません。それは身体構造としての変化が出来なければ馬は馬の限界まで行ってそれ以上にはならないからです。群れに君臨できるのは優秀な雄という事は人間の都合の良い考え方であって、群れにチャレンジしている外の雄もほとんどが同等の能力であって何ら劣性ではないということです。種の保存機能に差があるのではなくその環境の中で生活するうえでの単なる仕組みにすぎずそれを人間の世界と類似させて論ずることで利益を得ている人がいると言うだけです。その意味では、人間界でも強いものが優秀な遺伝子を持っていると言うのは間違い以外の何物でもありません。だから、言えることは、神は生物のバランス保持の為に肉食獣を作ったのではなく、生物の多様性として様々な遺伝子の組み換えを行ったと言う事にすぎないと言えるのです。その邪魔をしているのが人間で、人間を作ったことが地上の生物の多様性を失わせ、バランスを著しく狂わせる原因となってきていると言うことは間違いありません。そう思うと神もまた失敗だらけで人間を見つめているのだと思うのです。