知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

家付きカー付きババァ抜きの世代が婆になった時代の話

  なぜ独居老人は問題なのかと言うと、孤独死のリスクが高いからとも言われていますが、それは不幸なのでしょうか。長い人間付き合いの人生で、孤独でいることが必然ならば、本人は気ままに生きているだろうし、自分の意志で受け入れている生活だと思うのです。ぼっんと一軒家ではない限り社会のシステムとしても老人のつながりを確保できる環境は沢山あります。しかし、あえてかかわりを求めていないのですから、そっとしておく方がいいのではないかと思うのです。今年、警察庁が初めて集計した、高齢者の「孤独死」、今年上半期(1~6月)に自宅で死亡しているのが見つかった一人暮らしの人が全国で計3万7227人(暫定値)で、このうち約8割の2万8330人が65歳以上の高齢者だそうです。内容を読むと、全国の警察が1~6月に扱った「孤独死孤立死」の遺体(自殺を含む)は10万2965人で、3割近くが独居の高齢者だったと言う事です。しかし、自宅で一人で死亡した人の年齢別では、85歳以上が7498人と最多で、75~79歳5920人、70~74歳5635人と続き、65歳未満は8826人、そして、30歳代が512人、20歳代が431人、15~19歳の若者も42人いたと言う事で見てみると新聞記事などで孤独死に結びつける根拠としては薄いかなと思うのです。つまり、死ぬときには誰かに見守られて死ぬが常識なら一人で旅立った見送りがいなかったのは寂しいでも良いのですが、死期が明確な病気などであっても誰も死ぬときは分からないのですから一人で旅立ったとしても不思議ではないと思うのです。見守る人がいなかったが孤独だったというのは、死んでから発見されるまでの時間の経過を指していると思うのです。すると死亡推定から遺体発見まで当日~1日以内が1万4775人で全体の約4割で、この人たちは友がいて、1か月以上かかった3936人は孤独な人で、周囲との交流が乏しい人となってしまいます。さらに、都道府県別では、東京の4786人が最多で、大阪3146人、神奈川2346人、埼玉2270人と続くように都会が多いのも「人付き合いをしなくても暮らせる」からと言う事を考えたなら孤独だったという事ではなく、気ままだったでいいのではないかとも思うのです。死んだことがすぐにわかることが生前の人間関係を表す指標とは思えません。賃貸では腐敗による事故物件になったりその処理で迷惑がかかるというのも事実ですが、人と接したくない老人にとっては死後どうなろうとどうでもいい事だと思うのです。自分の死後人並みの供養を期待しているならちゃんと普通に準備していると思うのです。政府は、「孤独死孤立死」に対して、孤立した人を支援する孤独・孤立対策推進法を今年4月に施行したのですが、余計なお世話と言ってもいいのではないかと思うのです。例えばホームレス。「自由がいい」と言って福祉に関わりたくない人がいます。孤独死されて困っているのは残務を担当する方たちだと思うのです。特に、法律で問題となる財産処分や火葬の許可、埋葬の許可などに関して後から親族や遺族が出てきて揉めるのは嫌なものです。ですから、すべてが簡潔に処理できるようになっていればいいだけではないかと思うのです。つまり、独居老人となったなら負の遺産を含めてどうするか生前に決めてしまう事だと思うのです。葬儀が必要なら供託金として預かればいいし家財道具の撤去費用の取り決めが出来ていればいいだけだと思うのです。遺体を冷凍保存できる今日だから死んでから関係者探しをして一年も冷凍している費用が税金で払われているという事態が発生するのも本人の遺体を含めた財産処分の問題だけだと思うのです。独居老人は、簡単にわかるのですから親類縁者に関して本人に確認したうえで、不要となった人にはすべて行政で処理可能な書類をいただいておけばいいだけだと思うのです。いつ死ぬか分からないのですから、他者とのしがらみで苦労したくないというのも大事だと思うのです。家付きカー付きババァ抜きと言った世代は、「とにかくしがらみで縛られるのが嫌い」です。自由がいいのです。高齢になったのに自由な生活をしていると若い者からは「我儘な、爺と婆」に見えるかもしれませんが、明治維新の世代、そして昭和世代は、常識が壊れた時代だけに現代には不適応に見えても本人は不幸ではないと思うのです。何故なら、本人には死ぬ前の期間ではなくそれも人生の一部ですから。