知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

メンタル強い人に会ったことがない

  よく「あの人 メンタルが強い」からと他者を評価する事がありますが、私は、「メンタルが強い」人に会ったことがありません。誰もが、不安を持ち、悩み、自己嫌悪に陥り、頑張ってもいい事がないと感じ、心が波打っていると言う人ばかりです。「メンタルが強い」という表現は、一方で「精神的に打たれ強い」という意味で使う事もありますが、「精神的に打たれ強い」人にも私はあったことがありません。いつもいつも、「精神的。心理的。に強い」個人などいるはずがありません。確かに、個人としてはメンタルが強い日や弱い日があるかもしれませんが、それは個人的な事であって、人同士を比較して「メンタルが強いか弱いか」を考えることは元々意味のない事だと思うのです。まして、それが社会性や社会の対人関係を示す指標になるようなら、社会の害としか言いようがありません。ですから、「メンタルを鍛える」ことは、出来ませんし鍛える必要もないと思うのです。「心に関するさま」はあなたそのもので、他者にはない個性そのもので、精神・心理は、「ずるく」は成れますが、鍛えることは出来ないと思うのです。英語では、メンタルの反対語として、フィジカルが使われ、「肉体的」「身体的」の意味で使用されますが、強い肉体、弱い肉体などと言われて社会性を表すという事などありません。身体も大まかには一緒なので医学が成り立ちますが、固体は一つ一つ個性があり微妙にみんな違っています。それに、「メンタル」も「フィジカル」も外国語でその言葉の背景にある文化や宗教などを考慮せずに直訳で使用すると、日本人的に理解すると違った意味になってしまう事に気を付けなければなりません。ですから、フィジカルの対義語に、「スピリチュアル」と言う言葉もあって、「霊的・精神的なこと」を指す場合があります。時には、メンタルヘルスなどと言う言葉が使用されて、「メンタルトレーニング」などと言うセミナーがあったりしますが、誰でもが日常生活では、精神的にダメージを受けずに過ごすことなど出来ません。メンタルが「強い」人はどんな人かを調べると、①ポジティブで、いつも前向きな心を持っている②平常心を常に保っている③自分をしっかり持っているので、ほかの人の気持ちを察することができる④謙虚で努力を惜しまない⑤いつも周りを見渡すことができ、臨機応変に行動できるという特徴を持っているとされますが、周りにこんな人いますか。こんな「できすぎ君」みたいな人がいたら、私なんかは、精神的にダメージを受けてしまいそうです。逆に、メンタルが弱い人を調べてみると、①他人の目を気にしすぎる②ネガティブ思考③気持ちの切り替えが下手で、いつまでもくよくよ悩んでしまう④自分に自信がなく、他人に依存するという特徴を持っているとされていますが、とても人間的だと思いませんか。

さらに、メンタルが強い人は、自分なりの価値観をしっかり持ち、経験豊富で自信を持っているとか、自分のことをしっかり認識し、必要以上に自信過剰になったり、逆に卑下したりすることがありませんと言われるとどんなにトレーニングしても自分はなれないなとしか思えません。しかし、メンタルが弱い人は、いつも自信のない行動をし、すぐに落ち込んだり、暗い表情でいることが多く、少しのことで動揺したり、おじけづいたりしますと言われると、自分に合っていると感じてしまいます。つまり、よく、メンタルが強い人はポジティブ、メンタルが弱い人はネガティブと言う人がいますが、それは間違っていると思うのです。人間は、常に不安を抱え、ネガティブ思考の中で自然と接してきたのです。明日のご飯は確保できるのだろうかの不安が農耕になっていったのです。「何とかなるだろう」なんてポジティブ思考でいたら、自然淘汰されていたかもしれません。確かに人間社会では対人関係の中で一人一人が、精神と心理の関係で沢山の攻撃を受けるような時代ではありますが、それを精神・心理の強弱で考える必要はないと思うのです。社会性と言うのは、「狡さ」であって「ずるい奴が徳をする」様に出来ているだけですから、社会性が低いと言うのは、「ずるさ」が弱いという事だと思うのです。今社会の言うメンタルが弱い人こそ、普通の人で、メンタルが強い人は、とてもずる賢い人だという事だと思うのです。