知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

事件に遭遇するってこんなことからかなという話

「お前ら どいつも こいつも」という声でそっちを向くと、さっき座るときにちらりとみた、背の高いやせた男が「一人の・・・・・・・」後は聞き取れない言葉を座っていた方に向かい叫びながら左手へと去っていきました。電車の中、長い座席の右手端は、ガタイのいい男がスマホをずっといじっています。その次席がさっき叫んで立ち上がった人が座っていた席。その次は、赤いダウンを着た太っちょの男でスマホに夢中。多分この二人に向かって叫んだと思うのですが、二人は携帯を見ているだけで何の反応もしていません。席の並びでは、赤いダウンの隣は普通の男で、次が自分、声に反応したのは自分と隣の普通の男位で、向かいの座席にも全員が座っているのに誰も何の反応もしていません。ドア側にも立っている人がいますが誰も反応していません。反応と言っても突然の事であり数秒の事ですから何をすると言うよりも声のする方を向いただけなのですが、誰も声の方に眼さえやらないと言う事です。仮にですよ、座っている男が「何だ」と立って喧嘩にでもなったら、最近の流れで火でも放たれたなら何のことかわからずまず目も上げなかった周りの人は、確実にパニックになるしかないのかなと思わずにはいられない状況だなと思いました。これは推測ですが、電車の座席は、座り方が悪かったり、太目ばかりだったりすると空席のはずの一人分の席が結構狭く感じて後から座り込むのは意外と大変なんです。特に冬場は。通勤慣れしているとスッと収まってしまうのですが、慣れない人がやっと見つけた空席に座ろうとしたなら両隣が太いと意外と難しいのです。しかも、どうしてなのか先に座っている方が態度がデカいんです。さも、迷惑そうな顔をする人もいます。以前の電車の長い座席には中間に手すりが無くて7人掛けと言いながら6人で座っているという事がよくあって、一人分を6人で分かち合っていますから、空いている隙間と言うと、20センチも感じられませんそこに座るには端の⒉足りを除いても4人には少しづつ本来の位置にずれて頂かなければなりませんでしたから、割り込むと言う感じになって図々しいぐらいのおばさんやおじさんしか座れなかったものです。最近の座席には両端から2人目に手すりがあって中は三人掛けとなっていてはみ出すことがあまりできなくなっています。思うに、叫んだ男は、端のガタイのいい男と太目の男の間に座っては見たものの、凄く衣服や身体が触れたか居心地が悪かったので怒っていたのかもしれません。普通は迷惑顔をしながらも、少しは座り直してみる位の対応をしますが、何もせずスマホをいじっている事が腹立たしかったのかもしれません。最後の言葉は、もし聞き取れたなら、一人分の席をちゃんと開けろだったかもしれません。周りの人が反応しない叫び声だったから、トラブルにはならなかったし、叫び声だけにして去ってくれたからそれですみましたが、あれで叫び声だけでなく、何らかの行動を起こしていたら、今度は自分は一体どんな行動になったかが頭の中を駆け巡る事になりました。喧嘩にでもなったとしても、老いたる体力ではとても引き離す自信はありません。最近の事例のように、火でも投げつけることになったら、化学繊維しか着ていない自分は簡単に引火してしまいます。この場に居たと言う一番の有利な事は、成り行きを見ていることが出来たので真っ先に逃げ出せば、何も知らずに座ったり立ったりしている人の外側に出ることが出来そうですから、逃げ遅れる人たちを壁にして自分は助かる可能性は高そうです。つまり、混んでいる列車の中では、何が起きているか知る者だけが優先的に逃げられそうですが、どうしたのと問いかけている人は確実に巻き込まれてしまいそうです。電車通勤の最中に身近でトラブルが発生したのは、何年振りかなんですが、昨今のトラブルは死亡事故にまで発展する事が報道されているだけに随分時代は変わったなとも思いながら、結局突然発生する事故に出会ったときは冷静な判断をする情報も何もありませんから、己の自己防衛意識だよりに行動してしまうんだろうなと思い、事件に遭遇するってこんなことからかと思うととにかく事故には遭いたくないと繰り返しているうちに到着となりました。