知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

BS通販複合汚染になり兼ねない、健康食品の話

     年取って暇になるとテレビが友達の一人のようになるのですが、特にBSなどは通販番組しかないのかと言うぐらい通販で溢れています。しかも通販で購入するのは年寄りが多いのか、年とともに訪れる、歩行や身体の老化、健康の回復に関わる商品がづらりと並び延々と脅し続けられるのです。そんな広告を見ながら思うのです。金粉入りのお茶やまんじゅう、果ては和食の副菜にひらひら揺れる金箔を食べたところでうんことして出てくるだけで絶対に体に吸収されることなどないのにと。薬品の効能が分かったとしても製薬会社が問題とするのは、どうして患部に届けるかという事でどんな薬効があったって適正な部位に届かなければ、どんな薬も効果はありません。テレビの放送を含めた健康関係の通信販売では、薬からサプリまで多種が研究販売されて、成分の科学的根拠まで説明します。ですから、権威あるドクター迄出てきたり、実際の使用体験者迄でてきますから、本当に効きそうだなーと思い込ませるには十分な放送でもあります。時には、30分程度のドラマ仕立てまでありますし、CМも秒単位ではなく、分単位の放送が多くみられます。しかし、化学としても正しい物質でも人体にどれだけ吸収され、人体の中でどれだけの効果や作用があるかについては人それぞれで宣伝通りの効果・作用があるとはとても思えません。その第一関門が体の消化吸収と循環という事でこのシステムは生命を司っており複雑でそんなに簡単ではありません。口から入るものは、消化器官を通じて吸収され血液やリンパの流れに溶け込んで流通し必要なところまで運ばれ、活用されて初めて意味あるものになります。消化と言うのは、化学的消化や生理学的消化、菅空内消化などいろいろ言われますが、要するに、物質を分解し分子レベルまで、砕いたり、溶かしたり、乳化などの変化を促して体内に吸収できるようにする作業ですから、効果のある物質であろうとその過程で破壊されたり排除されたりしてしまえば、意味はありません。点滴のように外部から血管に直接注入するなら別ですが、テレビ等で宣伝されている健康薬や健康食品は口から入れますから、吸収されなければ結果はただただ排泄されるだけなのです。消化では、酵素・胃液・胆汁、酸、アルカリ、腸内細菌を利用して、吸収される単位まで分解する事ですから分解されてしまったならその効果も作用も行えません。膜消化によって、最終的な分解と吸収が行われる軌道に乗らなければ体内の循環機能を利用する事は出来ないのです。一方その、消化・吸収をしやすくするための環境づくりをするため腸内細菌が存在し、腸内環境を改善する微生物や細菌があると宣伝もされ微生物を含む食品(ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆など)があると広告もしています。しかし、人の体内では、それぞれの消化器官で、消化酵素や消化液によって、タンパク質・脂質・糖質は分解され管腔内消化と膜消化によって栄養は吸収されますし、腸内細菌によって、人間の体で分解できない一部のものが分解され、最終的に未消化物が体外へ排泄されます。ですから単体としての効果・効能がある物質でも、人体の中でその効果・効能を発揮するには関門が多すぎるのです。CМはそんなクレームは見越していて、とても小さな字で「効果は個人で違います」とか「医薬品ではありません」とかあやふやな言葉を画面にこっそり出しています。確かに昔から、すっぽんが良いとか蝮が良いといいますが、その理由は、噛みついたら離さないとか、蝮の毒はすごいからアルコールで漬けて飲めば滋養強壮になる等々で、それはサイの角が爪と同じ成分なのに効果があると高値で売られていたり、エジプトのミイラが漢方薬として売られていた事と大した違いはありません。強い物、毒となるもの、特徴的なものには、何かあるに違いないと言う程度の、「あやかり商法、あやかり商品」のたぐいにすぎません。BSの宣伝広告費がどれほどのものなのか分かりませんが、一日中何チャンネルもが放送し続けても、広告主の会社が赤字にならないだけの販売が出来ているとも言えますから、公共放送で大勢の人が騙されているとしか思えません。見なければいいと言う人もいるでしょうが、社交性もない、趣味もない、出かけるのもおっくうだと感じている人には、テレビはそれなりの意味があります。公共放送であるテレビと言うお墨付きで延々とCМとして健康の為と脅しながらいいぞいいぞと刷り込まれていくのですから見方によっては、公共の詐欺商法とも言えなくもありません。複合汚染と言う言葉があるように、良かれと思っても健康食品やサプリを複数服用したなら体にいい事は無いとも思うのです。それぞれ単体なら毒にもならなくても、複合すると猛毒なんてことは普通にあります。それだけに通販の検証が必要なのではないかと思うのです。