知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

豊田章男社長、足元ちゃんと見ていますかの話

トヨタは、行動指針の取り組みを通じて、より大きく進化した価値を社会に提供し、事業を通じてSDGsの達成に貢献したいと考えています。そして、信頼される企業市民をめざしてこれからも積極的に社会貢献活動を推進していきます。」とか「また、SDGsの目指す持続可能な社会の実現には、人権やダイバーシティなどのESG課題への取り組みも必要です。」と建前をトヨタは語ります。まあ、そうは言っても理想であり目標ですから、現場でどれほど実現出来切るかと言えばなかなか難しいと言い訳されるでしょうが、物事には、高い理想と同時に自分の足元も確認しろと言うえことがあります。高邁な理想なくして前進がないように、現実の自分を適正に評価し改善することも同時に行わなければ前に進むたびに現場のほころびが本体を蝕んでいきます。

先日、車の左側の窓ガラスの上下動が出来なくなりました。数年前に右側が動かなくなった時に販売会社であるトヨタと大いに揉めました。最終的に費用を払って修理したのですが、この時も欠陥ではないかと訴えましたが退けられました。そんなことがあったので車検や点検も任せしているトヨタ売店では面倒くさいやつと思われていると引き継がれていたと思っていましたからまともな説明を受けられると思っていたのですが、整備士の回答は、実に不愉快なものでした。だから、なんでと聞き返してしまいました。故障内容はこうです。車の窓ガラスは上下するように出来ていますが、それを行っているのはモーター付きの伸縮装置で上げたり下げたりしています。前回はこの装置の骨が弱くて折れてしまったと言うものでした。その時も強度試験をやっているのだから通常では折れたりしないものではないか、子供が首を挟むほどのパワーがあり劣化したとしても購入して数年で折れるのはおかしいと言うものでした。今回は、その装置のアームと窓ガラスをつなぐ役割の硬質プラスチックの部品が折れたと言うものです。簡単に言えば窓ガラスと駆動装置とのジョイントでドアで言えば蝶番が壊れたという事です。接続部分は劣化もしますから折れるという事は誰でも理解は出来ます。しかし、トヨタの回答は、窓ガラス一枚と窓枠のゴムの取り換えが必要だと言うのです。窓ガラスは、ガラスで、ジョイントは硬質プラスチックですから、一体成型で製造するものではありません。ガラスとプラスチックは別々に製造されているのですから、部品取替えでいいではないかと言うと、窓ガラスに特殊な接着剤で部品を取り付けているので部品だけの取り換えは出来ないと言うのです。考えても見てください、窓ガラスは強化ガラスですから何千円もして作られています。それは全く傷ついてはいないのです。ジョイントは硬質プラスチックですから原価は100円もしないものです。たぶん過去ならこのジョイントは金属でガラスに穴をあけてボルトで止めていたと思うのです。だから、金属のジョイントの方が強くて接合部分のガラスが割れたりしてガラスを取り換えるのは普通だったと思うのです。その改善としてガラスの割れない硬質プラスチックにしてボルトを省いて接着剤にしたら、今度はジョイントの方が弱くなりました。だから高いガラスが割れないで安いプラスチック部品の取り換えが必要ですとなるかと思いきや、ガラスは守ったけれどやっぱり捨てることにしましたという事です。どうせ部品を買うのは消費者で、その方が会社としての儲け幅は広がるのですから。結局、無傷のガラスは、交換回収した挙句に、産業廃棄物として廃棄されるという事を継続するだけで何の改善にもなっていないのです。こんな無駄はありません。ガラス製品を作るには、電気も大量に使います。豊田会長の胸にはSDGsのバッジが付けられていると報道されていましたが、SDGsとは程遠い大量消費時代の考え方そのものです。会長は「あの頃の大人たちは何をやっていたんだ、と言われないように行動することが、持続可能な社会の実現を目指すSDGsの視点でもあり、私たち大人が今、何をすべきかミッションを問われているのかもしれない」とも語っていますが、足元では金儲けの為には、壊れていなくてもより高い部品を買わせることが推奨されていることを知るべきです。豊田会長はパワハラで自殺した職員の事が報告として挙がっていなかったと嘆いていましたが、リアルな現場を、リアルに確認し、リアルなSDGsに、リアルに取り組むべきだと思うのです。

 豊田章男社長に於かれましては、足元ちゃんと見えていますか。