知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

弱者の恫喝になるとすごむ地域の話

 知的障がいのグループホームを建てようとすると、近隣の理解を得ているかと言う差別的なルールが今もあります。過去には自治会の承諾書を持ってこないと認可さえしないと行政に言われたこともあります。最近は同意書までとは言わなくなりましたが、設置の説明会はしなければならない状況は隠然としてあります。グループホームは、障がい者ばかりが住むということから近隣住民の理解を得なければならないというのは口実にすぎず、

反対者がいるという前提で後日トラブルとなるよりも事前に媚を売っておけと言うことに近いルールです。障がい者グループホームは、民間アパートの住民管理型でもありますから、結果として障がい者をちゃんと管理しますと周囲に宣言しろと言うだけのことです。迷惑施設がやってくるのだから、迷惑を掛けませんと約束して来いということです。不特定多数の個人が住む通常のアパートの方が如何に管理会社が確認していようともトラブルが発生するリスクは格段に高いと思うのですが、アパートやマンション建設で反対運動を行う人は多くはありません。ところが、障がい者の施設となった途端に、上から目線で高飛車に許可権でもあるかの如く、近隣住民が多弁になります。社会福祉法人だけでなく社員寮だったとしても、入居者に対しての入居条件や管理責任は組織が普通に堅持していますから、苦情は個人にではなく組織が受け取ることとなり、騒音問題やゴミ屋敷などと言うトラブルになることは基本ありません。ですから、今日のプライバシーなどを含めてどんな人が住んでいるかも分からない民間のアパートのから比べたら、ずっと分かりやすいアパートと言えます。さらに、施設となれば、定員とか施設設備とか決まっていますから防火設備などを含めて法令順守の建物が出来ます。にも関わらず、設置しようとすると、近隣住民に説明会をしなければなりません。近隣住民と言っても職業も生活もバラバラですから何をどこまで説明するのかさえ曖昧ですが、本音としての近隣住民が求めるメインは「安全か」です。工場でも作業場でもなく同じ人間が住むのにその人間は安全なのかと言う問いです。ですから説明会では、安全ですと宣言し、安全を担保することが求められるのです。確かに人間は不安の除去のために努力しています。つまり、安全の確保は、不安の除去に通じますから、不安は危険であり危惧の除去となります。障がい者グループホームを設置したいなら、安全を担保しなさいと言う要求の本質は、障がい者への不安と危険観です。漠然とした不安感それが嫌悪観でもあります。そんな近隣住民がいるところで、障がい者グループホームがなぜ必要なのか、何故ここに建てることになったのかをどれだけ説明したところで、嫌だなと思っている人は何かと粗探しばかりをして設置を断念させようとします。行政も障がい者の制度としてグループホーム設置を推奨するのなら、近隣住民の説明会などと条件など付けずに、法律の条件を満たしているなら許可すればいいだけのことですが、許可者の責任を問われないように話し合ってくださいとしか言いません。その結果当事者間の話し合いの末、結果として近隣住民の納得を得るために、地域に媚て利用者の権利を制限する約束をしたり、地域に利益を提供したりしていることもあります。その挙句に、設置反対の先鋒だった人が今では地域一番の理解者ですなんて美談は福祉施設にはいくらでもあります。福祉は地域の皆さんの理解と協力なしにはなり得ませんなどと手もみしながら進んでいくと、利益供応が解決の手段になって面倒見てやっているという住民と住まわせていただいているという施設の関係が固定化されて、結果のしわ寄せは利用者が支えることになるのです。説明もしないで強行突破が良いということではなく、何故障がい者がそこで暮らすと云っただけで近隣に説明しなければならないかの本質が、危険だからにあることを行政も認めている状態があることに違うと思うのです。実際その実例として、最近の関わりで自治会に事前説明に行ったところ、「家には娘がいる」「子供の通学路にある」「地価が下がる」「こんな交通の激しい狭いところではなくもっと緑の多い広いところがいいのでは」と平然と語り、障がい者は何をするか分からない不安な存在で、女・子供が被害者になりかねないと危惧する発言をします。その後に、説明会を開催すると、設計士に対して「この設計をすることに良心は痛まないのか」「敷地内目いっぱいに建物を建てて、法律さえ許せばそれで良いだろうという傲慢さを感じる」と依頼されて法律に則って設計しただけなのに悪人扱いをします。当然設置側には、「近隣住民に迷惑をかけて、ふざけていると思う。普通のアパートだったら猛反対している。あまりにも非常識だと思う。」「皆が普通に生活している場所。図示された立面図を見て、呆れている。なぜこの場所を選定したのか。駅前にも川向うの田んぼの中にも物件はあるのに。」とまで非難します。そして脅すのです。「近隣住民と上手く付き合えないと、住むことになる障害者に罪はなくても、恨みを買うことになりますよ。」「グループホームを建てるにあたって、誓約書を差し出してもらいたい」「知的障害や精神障害ということが心配。とくに、ある程度自分たちで身の回りのことができる人の方が、昨今の報道にあるような悪いことをするのではないかと心配になる。建物にも反対だが、一度にたくさんの障害者が住むことになる不安がある。」なとと録音しておきたいような言葉を並べ立てるのです。あまりに酷い言い方をしたことに、差別的なことは言わないで欲しいと言うと、今度は「被害者意識は止めていただきたい。弱者の恫喝になる。」と恫喝します。それなら、ここで言ったことをみなさんの前でも言ってみるが良いと言ったら脅し合いになりますから黙りましたら、「反対運動の資料になるから図面のコピーをよこせ」と本音を言いました。そんなことを口にする、連中は自治会だの、子供のスポーツ会だのの幹部であり地域の名士でもあるのです。だから、口では、障がい者理解も語りますし、地域の自治も語りますが、本音は、安全確保のためには、障がい者グループホームは迷惑施設でしかないということです。