知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

なんでも甘いという甘い評価

 テレビのレポーターが、野菜でも果物でも何でもかんでも「甘い」と評価して、糖度がメロンと同じだなんてことを得意げに言います。野菜の評価も、わざわざそのまま食べて甘いと評価します。今や糖度が高いほど良い野菜の様な評価と褒め方をしています。塩分控えめの食生活の中で、甘ければおいしいなんてことが平然と言われて、農業は甘い野菜作りに一生懸命です。野菜ばかりではありません。A何とかランクの肉は甘くてとろけるなどとも言いますし、マグロが口の中でとろけて甘いなどと言うレポーターまでいます。一方で、今動物園では、日本の果物を動物に与えられないと言われています。それは、今の日本の果物は、本来の自然界にはない甘さで、動物の体に悪い影響が出るからだそうです。そんなことを言うなら、動物の体に悪い、甘い野菜と甘い果物を食べている人間の子供たちは本当に大丈夫なのとも言えます。ダイエットの時に果物の果糖は、大敵だということを知っている人も多いと思うのですが、実は、甘い物は、脳には必要なのですが、白砂糖は体に有毒だということは、すでに証明されていることです。白砂糖は、血液を酸化し、赤血球や細胞を崩壊させます。砂糖の害として、我慢ができない、イライラする、きれやすい、不眠やうつ病などが挙げられています。それは、白砂糖などは、精製する過程で、本来持っているミネラルなどを取り除いてないだけでなく、体の中のビタミンやミネラルを消費して不足にさせてしまうからです。同様に、レポーターが何かと言う、ジューシーなどと表現される果物の、過剰なビタミンC摂取も、カルシウムの吸収を妨げ、疾病の原因ともなります。農薬や化学肥料などに、敏感な人も多いのに、甘ければいい、ジューシーがいいという、果物や野菜の評価を非難する人は案外少ないのです。本来の、自然界ではないほどに甘くするには品種の改良だけではなく、化学肥料や特殊な農薬を使わなければ、品質は保てませんし、人工的に作り出した特殊な品種だということを認識しなければなりません。ある意味では、植物としての奇形でしかないのです。動物の中でも最良の味覚を持っている人間なのに、一つの味覚だけがおいしいことだとしてしまうのは間違いだと思うのです。渋いや苦い、酸っぱいは長く人間を支えてきた重要な感覚器です。人間ほど発達した味覚が与えられた生物がいないのに、今やなぜか甘い方がいいということになりかけているのです。和食は、体にいいとか言っていますが、和食では調味料としての白砂糖は今ほど安易に使用できたのではありません。自然に取れた、野菜や果物の甘さを調味料として利用し、砂糖を入れて強化したのではなく、総体的なバランスで甘みを感じさせていたのです。ですから、なんでも糖度が高いことがいい野菜や果物にはなっていませんでした。イチゴ並みの甘いトマトなどとも表現されますが、こんなに甘いイチゴは近年のことで、イチゴもちゃんと酸っぱかったのです。だからイチゴは、ジャムとして最適だったのです。酸味がないと良いジャムにはなりません。もっと言えば、そんなに甘くておいしいなら、栽培中だって、沢山の昆虫の標的になって実も葉もボロボロになってしまいます。でも商品として並んでいるのを見ると素敵な形できれいなのは、それなりの処理がされているからです。現代の農薬は非常に良く出来ていて飲んだらすぐに中毒で死ぬなどという過去の物とは全く違います。ですから、残留農薬の基準値を大幅に下回っていますし、人体に影響が出るような事はありませんと偉い先生も言っています。しかし、それは落とし穴で、何年も蓄積したら人体に影響がないとは誰も言えないのです。つまり、今から10年後に今の時代の微量な農薬の蓄積による疾病が出て初めて診断されるのです。つまり、今の我々が現代の農薬が微量でも蓄積するとどうなるかの実験台となっているということです。農薬の開発者だって、短期間の動物実験は出来ますが、長期間の人間での実験など出来ませんから、その時が来るまで待つしかないのです。そしてそれは、今までと同じように、大丈夫と言い続けて、突然にあれは毒だったと発表されるものなのです。急にプラスチックのストローが廃止される原因は、マイクロチップとなったプラスチックですが、そんなことはわかっていても、営利のために誰もが口を閉じて、コマーシャルスポンサーがいるからマスコミも絶対に取り上げないのです。今、果物も野菜もブランド化と広告によって販売拡大を目論んでいます。だから、受けのいい甘いとジューシーを多用しているのです。本物の野菜なら、種を取って次の年に種を蒔けば、同じものが収穫できます。しかし、品種改良されたものは、種を取っても同じ作物は出来ません。それほど人間の手が入りすぎている野菜や果物が氾濫しているのです。果物の果糖も白砂糖に負けないぐらい有毒だということを示すことなく、甘いからおいしいとレポートすることは本当に罪なことなのです。