知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

日本の空を返してもらう話

 日本の空域は、日本の「航空法」により法治されてますが、米軍機は日米安保条約地位協定などによりほぼ自由に使用できます。それは、国際連合の軍隊が優先する仕組みになっているからで、ほぼ治外法権の扱いがされています。そんなことはない日本の管制の下にあるという人がいるかもしれませんが、軍隊というのは、移動そのものが軍事機密と言われてしまえば何も言えないのが実態で、軍事上必要だ、軍事訓練だと言われれば日本の管制など口を出すどころかその輪の中にも入れてもらえないのが現実です。たとえば米軍のヘリが墜落したからと言って日本の警察が優先的に究明することは出来ません。この状態が日常的に表面化しているのは基地周辺の地域ばかりなのでほとんどの人は無関心というよりそんなことさえも知らないというのが本当のところです。ところが、オスプレイに関する新聞記事でそれは今も日本全国同じだということが明かされました。オスプレイは、配備される基地周辺で訓練するだけでなく、日本全国に優先的に訓練できる空域が何本も設定されているということだったのです。しかも、低空飛行訓練や夜間訓練を、日本の防衛省に伝える程度でどんなふうに何機飛ぶかなんて云うことも計画を話すことも必要ないのです。時々報道で、横田空域があってと言われますが、この横田空域は在日米空軍横田基地が進入管制を行っています。空に関しては、管制区域 航空交通管制区 とかいろいろあるのですが、自衛隊や米軍が管轄する空域があって、自衛隊の管轄空港(松島、浜松等)や米軍との共用飛行場(千歳、札幌、三沢、百里、小松、美保、徳島等)、 米軍の管轄飛行場及びその周辺の空域(横田、岩国等)等々についても、制度上は、在日米軍に許可をとれば飛行は可能とされています。しかし、商業航空会社が一便ごとに許可をとるのは難しいため、臨時でない限りは費用が掛かっても、大半は横田空域を避けるルートを取っています。六本木にある在日米軍ヘリポートでは、毎日何回も離着陸するので、低空飛行も騒音も繰り返されています。こんなことは、基地がある全国の都市町村はいくらでもあることで、軍の基地利用が米軍から自衛隊に代わっても続いていくことです。なぜなら軍事行動というものは、日常の訓練量がものをいう世界だからです。特に空軍は、どれほど航空機に乗る機会があったかで戦闘員の実力差が大きくなります。ジェット燃料は非常に高価ですがケチっていたのでは実力は上がりません。さらに、機体の機能ぎりぎりまで使い込む訓練をしますから、戦闘機の維持管理費はむちゃくちゃ高いのです。保有して飾っておいただけでも費用が高いのに、訓練で飛ばせば飛ばすほど費用が嵩む様になっています。戦闘機を乗りこなすことはお金を積み上げることでもあるのです。

 トランプ氏になる前までは、自主防衛だなどと言っていた政治家が、同盟が大事だと大騒ぎしているのを見て、費用負担を求められたら、日本の空を返してもらういい機会だとなぜ思わないのか不思議です。膨大な費用が掛かって迷惑だと言われたなら、黙って自分で考えますとなぜ言わないのか不思議です。防衛の専門家という人たちは、中国・ロシア・北朝鮮の脅威をあれこれ挙げて現状維持が一番いいというのですが、隣人との付き合いは、自分が考えるべきもので、喧嘩に強い友達がいるから大丈夫だというだけではないと思うのです。アメリカの世界戦略の一部に日本があることと、日本の空は日本が管理していることは別だと思うのです。戦後の労働運動が、学生が、あんなに頑張っても出来なかったことが、トランプ大統領という変わった人が金を払わなければ、面倒見ないというなら、太平洋戦争で負けたことで続く見えない占領政策を終わらせるのも選択肢の一つだと思うのです。政治家なら、トランプ氏の一挙手一投足に慌てることなく、大人としての考えを述べてもらいたいと思うのです。