知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

進化は幻想、進化では説明できない人間の性の話

   まず、多くの生物で性が存在する理由は分かっていません。子孫を残す方法として大まかには、雄と雌という個体に性が分離している有性生殖、単純に自分が分裂などして個体を作ることを無性生殖、受精を経ずに、卵が単独で発生することもできる単為生殖などと言うものが有りますが、いずれが進化形なのかは分かっていません。それは、ある学者が、有性生殖は無性的な生殖に比べて生存に不利であると言ったときから、発情の無い人間の性が進化の結果という説明が出来なくなってしまったからです。単純に言うと、無性生殖の大人は、勝手に自分の欲しいときに自分の分身となる子どもを作り続けられます。しかし有性生殖では、異性を探し、そいつを品定めして、妊娠となりますが、生まれてくる子どもは雄雌半々で妊娠できる数は無性生殖の半分で、この雄の中で育児に参加する種はほんの一握りで受精後は役にたたないだけで無く、もしこの個体が感染症にでも罹っていたら完全に感染してこっちまで死んでしまうというリスクも持っているのです。梅毒やエイズなんてこともあります。さらに、遺伝子情報は混合するので、優秀な遺伝子が伝わるとは限りません。無性生殖ならアインシュタインアインシュタインを作れたのですが有性生殖では、天才の脳を保存するような子を作ることは出来ないのです。よく自然界で雄同士が闘って強い子孫を残すと言いますが、経験値は遺伝しませんからどんなに強い歴戦の動物でも、有性生殖では、その一部しか遺伝はしないのです。有性生殖の方が、無性的な生殖より、人間の進化の根源のように性を考えている人からすると、残念な結果となるのです。そこで、様々な学者が有性生殖の価値を導き出そうと説明するのですが、進化としての説明には至っていません。面白いのは、原生生物の中で、餌不足などの環境悪化による「共食い」から性の起源を説く考え方まで出てきます。その説で原生生物から「性」が始まったとしても、その後引き継いだ菌界、植物界、動物界の中で、生殖と完全に一体となった性を行うのは動物だけだそうです。身体の変化は、後戻りの出来ない変化で、鳥は飛ばなくなっても始祖鳥の前の姿へ変わっていくことは出来ないように、一度変化することは 元へ戻れないというのが生物の変化とも言えます。ですから、様々な動物の中にも、役に立っていなくても、やめることができなくなった身体機能や行動様式も沢山あるのです。今のところ、発情しない人間の性が、進化の結果だと説明することには無理があるのですが、人間の歴史では、どうしても発情しない人間の性が良くも悪くも文明としても大きな役割を果たし、文化から性の痕跡を抜くことは出来ないほど貢献していると思うだけに、進化したシステムだと証明したいのです。人間は進化の頂点にいるとする人達には、発情しない性も動物との違い、文化や文明の根源として進化した性として証明したいのです。確かに、文明後の歴史で性は大きな構成要因ですが、子孫を残す方法として進化したものなのかは怪しいのです。

 現代の性から考えると確かに発情する動物とはあまりにも違う感じがしますが、文明だとされる数千年前よりももっと長いマンモスがいるときから生きていた旧石器文化の人類にも適合するかと言えばもっと性は、動物に近い状態だったとしか思われません。ちなみに、雌雄別が主流な生物群は動物のみで、他の生物群では雌雄同体(同一個体が大小2種類の配偶子をつくる)や性差がない(配偶子の大きさがほとんど変わらない)が主流ですから、生物としては、性や性差がなくても困らないとも言えます。逆に何で性を分離したり性差を付ける必要があるのかと言う疑問の方が大きくなります。人間の細胞の組み合わせ・役割などや神経繊維、脳の構造などは確かに、複雑になっている事は事実です。特に脳は進化したと証明できますが、他の動物と大きく違いのない性に関しては発情が無いことが、進化とは言えません。二足歩行、言語、文明の確保など進化の頂点は人間だと証明する方法は色々ありますが、性の進化の形態は説明されていないのです。つまり、性が分離していなければ、現代社会の性問題は全て無いのです。性が何故発生したかも不明ですし、性が滅びずにつづいてきた事が進化とは説明できないことからも、性が環境に適応した進んだ子孫保存の方法と言うより、性と生殖が結びついた生物が何故か繁殖したと考える方が適切に思うのです。人間は何でも一番のように振る舞おうとし、説明しようとする魔法の言葉に「進化」を好みますが、実際は、複雑化と例外ばかりの自然の中では少数派の生き残りにすぎないのです。現代の人間の繁栄は偶然の賜物で、性や性差は進化では説明出来ない事柄で、生き残りのためには進化していない性に関しての課題を考える必要があるのです。