知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

ハイビーム運転推奨は歩行者に優しくないの話し

 警視庁がまとめた、歩行者が夜間に道路を横断中、車にはねられた昨年1年間の全国の死亡事故625件のうち、96%の車のライトがロービームだったこと、今年の秋の全国交通安全運動の重点項目として夜間運転はハイビーム使用を呼びかけるとしています。運転者としては、ハイビームの方が100㍍先ぐらいまで見え、扇形に視界が良くなりますから、歩行者の発見も早くなるし、運転しやすいことはその通りで、事故も少なくなるかも知れません。でも、なんで多くの人が、ロービームで乗るかを考えたならもっと他の方法で提案すべきだと思うのです。それは、歩行者にしてみれば、ハイビームで照らされることと、ロービームで照らし出されることの違いがどんなに大きいか考慮されていないと思うからです。大人でも、ハイビームの光源は、丁度真っ正面に近く、歩行者には眩しいというだけで無く全く見えず、つい手をかざしたくなりますし、全く見えない光の向こうに対しての大きな不安が発生します。照らし出されているという不安と共に、車からの威圧感まで感じるものです。また、ハイビームの光は運転者同士でも、直線なら少し前にロービームに変えますが、曲がったすぐにハイビームに出合うと一瞬道路が見えずヒャツトしてしまいます。ハイビーム運転は、過去からも論議されたことでもありますが、多くの人がロービームで運転するのはそれなりの論拠があると思うのです。

 実際に町中では、対向車があり、ハイビームにしたりロービームにしたりをすることは困難です。逆にハイビームやロービームを行っていると、何かの合図か、自分の車がハイビームになっている事で注意されているのかと思うのが一般的な心情だと思うのです。夜間の死亡事故625件中、ロービームの時が597件を分析し、ハイビームだったら防げたのではないかと考えるのも一つの考えだと思うのですが、それだからハイビーム運転を推奨するというのは違うと思うのです。逆に眩しくて起きる事故や切り替え操作による事故の危険の方が増えると思われます。自動車事故の基本は、自動車より人間の方が弱いと言う事につきるのですから、強い自動車が止まることが事故防止の基本だと思うのです。つまり、早めに止まる車を推奨することの方が運転者に期待するより重要な時代に入ってきたと思うのです。