知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

民間会社に300年後まで管理させる想定外の話

   東京電力の福島の原子力発電所の事故は、色々な人が驚いたし考えざるを得ない事が沢山ありました。しかし、原子力規制委員会はこの度、原発の制御棒という一番危険な核のゴミを地中に埋めて、電力会社に300年から400年管理させて、その後は10万年間政府が管理するという方針を出しました。あの大津波が来たときでさえ、想定外と言って責任など絶対に取らなかった、取れなかった東電は、電力会社では一番の会社でした。その東電にさえ結局責任を取らせることも出来なかったのに、弱小の電力会社でも持っている原発のゴミの管理を300年以上も管理できると言っているのです。それも、会社としては、既に使い古したゴミの管理ですよ。使い古しても大事に取っておくという方針で富岡製糸場は残されましたが、地中深く埋められたゴミをそんな熱意を持って民間会社が守ると信じることが出来る人は私からみれば異常としか思えません。倒産してしまえば、もう何の関係もないと簡単に言い切れるような民間企業に管理することが出来るとする根拠はどこにもないのです。しかも、エネルギーの供給関係が、100年後も同じだなんて誰も考えていないはずです。特に、送電と言うシステムは大きく変わります。電線が無くなる時代はすぐそこに来ています。戦後国営と同じとまで言われた電力会社も民営となり、経営や需給関係によっては倒産もありますし、外国資本に乗っ取られるかも知れないのです。もし、倒産してしまえば、ゴミの管理なんて簡単に放棄されて、結果は国民の税金になって仕舞いかねません。水俣病チッソという民間企業が生き残ったのも国費がつぎ込まれたからです。東電も、影響が大きすぎると結局国費がつぎ込まれました。でも、それまでそんな管理しかしなかったことの責任を取った人はいないのです。

 本来なら、原発を所有している量に応じた積立金、つまり管理の前払いを国にして貰い会社が倒産しても300年以上確実に管理する方法を施行すべきです。しかし、そんな積立金でさえも、使用量に上乗せさせられるのですが、上乗せすると原発のコストが化石燃料よりも高くなってしまうからそのような対策もしないのです。そして、電力会社は、核のゴミを300年ちゃんと管理すると言い張るのです。天皇家の古墳だってもれなく盗掘されているのですよ。どんな権威を持ってしても、未来何百年も続くなんて事を保障できる体制など在りません。ましてや一人の人が百才まで生きても3世代が守り続けなければならない事ですし、あの安定していた江戸時代だって15第将軍までいたように計算では出来ない世代の交代をしなければならないような長い年月の話が、今そっと決定されて、テレビでも放送されないままに次のステップへと進んでいくのです。そして、事故があって初めて私たちは、えっそんな法律あったのとか、そんなことになっていたのと驚くのです。つまり、普通に聞いたらみんながそれおかしくないというようなことが、沢山の情報の中に差し込まれて意見も言えないままにチェックさえされないままに今の利益を守りたい関係者の同意の元で決められてしまっていることが沢山あると言うことです。