読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

お米のランクづけを笑うの話

 良質な米作りの推進と、米の消費拡大に役だてることを目的として、全国規模の産地品種の米のできばえについて、試食による食味官能評価試験が1971年から続いています。内容は、外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価の6項目で、とくに良好の「特A」から劣るの「B´」までの5段階です。平成24年では、128産地品種で特A評価は、29点、A62点、A´37点で、Bランク以下は該当なしで、平成27年には、139銘柄がエントリーし、特Aは46点、A´33点と高得点ばかりです。そればかりではなく、産地偽装の問題があってからは、食糧事務所の検査員が検査した検査米というレッテルをもらわないと、品種名、産地、産年を米袋に表示できなくなりました。一定量の玄米のなかの米粒の形が揃っているか(整粒歩合)や虫食いの米粒がどれほどあるか、透明感などで、1等級から3等級までに検査員の目視で判定されます。検査には値段が高い指定袋を購入しなければならず、この袋に入れて、検査機関に運び検査手数料を払いますから、これらの費用は原価にみんな上乗せされます。問題なのは虫食い米の含有率検査で、カメムシの食害を受けると色が変わって着色米と言われ、等級格下げになると販売価格が60キロで、600円~1,000円もの違いが出るので、農協などの指導機関は、地域一斉の殺虫剤散布を推し進めていることです。だから、この二つの検査には、食品に求められている安全性としての残留農薬の検査や栄養価などの検査は含まないのです。そして、米はこの二つの検査を通ったものが流通していると思うと間違いで、実は検査を受けていない米が、未検査米と言って、外食産業やお弁当用の業務用米として米消費の3割を超えて消費されているのです。つまり、一般的な家庭用の米は、美味しいか美味しくないかとか、どこの産地だという証明書の発行だとかの銘柄米だとかに拘っているうちに、未検査米という業務用米の消費が伸び、ブレンド米とも言われる米の方が日常的に取って代わろうとしているのです。お米は吸水速度が、品種毎に違い、炊き方一つで、上等な米でもまずくなりますし、匂いを吸いやすく、湿度にも左右され、保存場所の影響もすぐに受けてしまうほど取扱注意の食材です。評価の高い米を自宅で適正に保存・炊飯する人が減っているという現状の中、業務米に慣れている人の方が多くなりつつあります。また、家庭ではご飯を白米として食べますが、業務用では、丼や混ぜ物・調理米などとして食べる方法が多くなって、ご飯とおかずを交互に食べるなどと言う、日本式ご飯の食べ方さえも必要としなくなっているのです。

 今や単なるおいしい米を作っていれば、米の消費が拡大するなどと考える事が間違えであることは事実です。おいしい特Aの米を選んで食べる人より、弁当や外食で業務米を食べ続けている人の方が多ければ、おいしいの評価だって変わってきます。それだけではなく、カレーライスを初めとして、牛丼だったり、ウナ重だったり、チャーハンだったりと、献立の多様化は、ご飯を一つの食材として活用する方向に動いています。気候の変更による温暖化が進み、水が変わってきて銘柄米の産地も変わってきています。米の消費量を増やそうと、美味しい米のランクを付けても、ブランド化しても、米の使途が大きく変わってきています。ですから、ご飯として食べるならこの米、カレーだとこの米、おにぎりだとこれが美味しいなどと、使途に応じた食材としての品種の作付けが求められる時代へ来たと思うのです。どの米を美味しいと思うかは、食べる人が決めれば良いことで、税金でランクを付ける必要など何も無いと思うのです。適応の早い外食産業は、料理に合わせた米をちゃんと揃えることになると思いますし、生産者も自分の土地と自分の技能に合わせた、米作りが出来ると思うのです。また、米の等級に影響する着色米などの、被害粒は今日の科学機械では、選別機で容易に除去できることです。消費者にとって必要なのは規格規定や検査員の感覚に頼ったランクではなく目的に応じた品種が求められていると思うのです。減反は今も続いています。そこには、瑞穂の国の米は、主食として白米として美味しい米でなければならないという言う切なる願いがあるのでしょうが、米の消費拡大を考えるなら、消費者が食べたいと言う米の多様化こそ必要だと思うのです。そして、様々な品種を生産者に自由に作らせて、減反なんかいつまでも強制しない方が米の消費は拡大すると思うのです。