知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

バカ殿はいないの話

    日本の家族制度から言えば、長男世襲だから、バカでも長男なら家を継げるとの話がありますが、そんなことは有りません。主君押し込めと言って、主君を監禁したり、廃立して次の候補者に無理矢理変更することも、家臣団によって行われていました。戦国時代の話ばかり聞いていると主君の権限は絶対のように見えますが、主君が勝つか負けるかで自分たちの生死が決定される時代では、完全な運命共同体ですから、家臣団の意向は重要で、いわゆる家臣団の衆議を無視することなど主君でも出来ませんでした。つまり絶対君主なんかではありません。だから、この人となら運命共同体としてやるぞと言う事が出来なければ、離合集散することも、君主を代えることも普通に行ったのです。ただ、主君を一門から選出するという意味では、家臣が乗っ取るということとは違い、身分秩序の上下関係は維持されていたのです。さらに、江戸時代でも、大名と言っても幕府の一官僚に過ぎませんから所領に帰ると殿様でも、江戸ではなんとか係と何かの役割に付いていたのです。ですから、バカな殿様がそこで失敗すると所領没収で潰されてしまいます。逆に出世すれば家臣にも良いことがあったから、家臣も一生懸命支えていました。つまり、身分制の社会でも、リーダーは、誰でも良かったなんてことは無いのです。

 会社の将来を見越して就労するなんてことは誰にでも出来ることではありません。上司も選べません。運命共同体では無い今日、衆議の意見に耳を貸さず、理念も語れないような、駄目なリーダーに出合うことがますます多くなると思うのです。頑張ってもあなたを見つけることの出来ないリーダーに未練を持っても、あなたを生かすことは出来ないと思うことがあったら、リーダー探しを一度はしてみるのも良いと思うのです。