知ったかぶりの話し

知ってるつもりの思い込みの感覚に、非常識な横やりを入れて覧る試みです

丹頂鶴の話

 天然記念物の丹頂鶴が何故生き残っていたかというと鶴の掟を守らなかったか守れなかったかのどちらかによります。鶴というのは、渡り鳥で、季節に応じて渡りをします。北海道の丹頂鶴も冬になると本州に渡っていました。丹頂鶴は将軍献上品でしたので禁猟品だったのですが、明治と共に狩猟解禁のようになってしまいました。その為、鶴の掟の渡りで本州に行った丹頂鶴は、食べられちゃったのです。障害があったのか、掟に反抗したのか、数十羽の丹頂鶴は極寒の北海道釧路で渡りをせずに暮らしていました。その子孫が、今生きている丹頂鶴です。みんなが渡りをしていたなら、朱鷺と同じようにとっくに絶滅していたのです。

 どんな選択をするのか。その選択の吉凶は未来のことですから誰にもわかりません。丹頂鶴はそれしか選択できなかったのかも知れませんが隠れ住む自然があったので生き残りました。隠れ住むことの出来なかった蝦夷オオカミは絶滅しました。人から隠れ住むのも生き残る手段の一つです。